ここフライブルは南北に走るライン川流域経済圏と、東西に走る岩塩街道の交差点として有利な立地と銀がとれてその産業の後押しで発展してきました。
この東西南北の道路をそのままのこした戦後~1960年代のモータリゼーションはクルマの大渋滞をまきおこし、ヴォーバン地区からこの市街地まで来るのに2時間近くもかかるなど社会的大問題になっていました。
そこで、市は1970年代にクルマ徹底排除をすべく、その代わりの交通手段として路面電車を採用したのです。因みに今は定期券を購入すると例えばその地から60km四方は電車、バスの公共交通機関が月、約5,000円で乗り放題なんです。
クルマ排除の不便さをカバーすべく、ヴォーバンでも触れた時刻表のいらないダイヤを開発しました。それは7分に1回電車、20分に一回バスとすることで、電車2回来たら、バス1回。15分刻みなのでいちいち時刻表を覚える必要がありません。しかも、7分くらいなら待てるので時間を気にせず生活出来るんですね。丁度蜘蛛の糸と同じように中心部から同心円状に電車が動き、よこ蜘蛛糸部に当たる道をバスが走ります。ナノデそのパターンを使えば、どんなところも不自由なくたどりつけるンですよね。
中心部に入るとフライブルク市庁舎!
市のこういう施設の起源は裁判所からスタートするそうです。色んなエリア、人種がそれぞれ活動を広げる中で必ず争い事が起こります。それを民主的に解決すべく裁判所が出来、それが市民の公共サービスを提供する市庁舎へと変わると。
お次はコレ!
なんだと思います?
これは“PEFC”ニッポンではFSC認証の方が有名だと思いますが、同じような森林認証機関で、ここがキャンペーンで展開しているPOPというか、オブジェです。
全ドイツトウヒが10分でこの大きさだけ成長していますよと。木をたくさん使って下さいねーという意味だそうです。
ドイツのみならずスウェーデンやヨーロッパの人々はこういうコマーシャルが実にウマイです!ヴィジュアルに分かりやすく伝えているとともに、シンボルとして、今回のはベンチとして、1石で2鳥、3鳥と落とすんですよね~。
今年は国際森林年ですのでニッポンの関係各位も是非是非こういういいことはパクッて大いに展開して欲しいものですね。
おっと、いきなり夜ですみません(^_^;)
石畳の中心地に縦横無尽に走る水路。これも名物で開発時に一旦は壊されたこの水路。それを再開発で全面石畳施工にする際にこの水路も復活させました。高いところの工業用水を中心部の低いところへ落差で流し、更に低い位置へと導く設計ですね。
ツアー前に知人のひと・環境の濱田ゆかりさんから、「ビール飲み過ぎてここに落っこちんなよ!」って忠告されてましたので、無事?落っこちずに済みました^^
再開発時にスポンサーを募りました。当時スポンサーは商店店主が主で、これは店の前にこうやってスポーンサー宣伝をしています。これは散髪屋さんです。もっとも、つぶれたり、やめたりして店主が変われば職業も変わるので、今は絵と職業は一致しないのがほとんどですが、これを見ると歴史が伝わり、当時の店主子孫も「ここはなぁ、俺のおじいちゃんのおじいちゃんがなぁ・・・」って子、孫に語り継げることも出来て、とても良い取り組みだと思いませんか?
MATSUYAMA。
そう松山市とは姉妹都市だそうで、しかもこの文字の方向に松山市がありますよという意味も込められているんですね。
フライブルクの大聖堂!
ヨーロッパのまちづくりはつねに、この教会を中心として同心円状に広がります。
コンヴィクト通り。藤の空中緑化がとても美しいです。
ここはもともと社会福祉施設を再開発しました。ドイツの都市計画はアメリカやフランスと違い人種でゾーニングしないところが特徴です。理由はナチスドイツのユダヤ人政策は皆さんご存じのところ。そういう反省からも、林業で学習した“多様性”を重んじる思想もあいまじっての決断なんでしょうかね。
まちづくり計画のルールとして、1F店舗、2,3F住居。敢えて多様性を醸し出すために、隣同士は同じ建築家を採用してはいけない。定期的な会合がある。そんな中から決定された藤の空中緑化も生まれました。
通りの隣にはこれまた再開発でつくられた駐車場です。(グリーンのところ)
え、どこが???と思いますよね。これも当然計画的で、街の雰囲気を壊さず同化させるようつくられています。
ナノデ正面はまったく駐車場の顔をみせてません。
階段を上り裏へまわってみると。。。
これはこれでまたまた駐車場に見えませんけどね^^
画面左の透明屋根がクルマ入口になります。
そしてお得意の複合施設。駐車場の最上階は住居!
こうすれば、単なる住宅に見えるので同化しやすいですよね。
駐車場を通り抜け街を一望できる小高い山へ登り(エスカレーターで(^_^;))
綺麗な街を見下ろしながら村上さんから地理的説明を受けました。
画面左上の山の向こうがヴォーバン地区になります。
あの向こう側に世界一の環境地区があるんですよね~。この山から吹き下ろす涼風を得るために敢えて、南北へ抜ける道を多くつくったんですね!
ヨーロッパ最古の現役ホテル!
1685年!
江戸時代初期ですね^^スゴイ!
で、おまたせしました!冒頭にこれな~んだ?の答えです。
実はこれパンなんです!
・・・は?
そう!古くギルドやハンザ同盟って高校の世界史で習いましたよね。当時の商業組合がつくったパンの規格、つまりものさしなんですね。
このサイズの1kgを“パン”と呼ぶんだよと、これにみたないものはパンではなく菓子パンですよと。こうやって統一の規格をつくることにより、どの店のが安くておいしいかを消費者に分かりやすく提示出来るためにつくったんですね。
じゃ、これな~んだ?
答えは“瓦”。
こうやってありとあらゆる商品のものさしをつくり、競争を公平化させたわけです。
これは時計。
・・・どうやって規格化するのかわかりませんけどね・・・。
なんで、これに着目したかといいますと、今クラブヴォーバンで提唱している住宅の温熱環境の規格化もこれと全く同じ必要性で、ニッポンの住宅性能をはかるモノサシは21世紀の今でも無いンですよ!
中世からこうやってモノサシをつくっている国があるというのに・・・。
我らクラブヴォーバンではこの“エネルギーパス”というモノサシをニッポンの住宅に普及させる活動をやっているんです。
今回の旅でこれは絶対進めて行かないといけない!と決意新たにしましたので、帰国後はスピード上げてやっていかねば!デス。
みんなでティータ~イム!
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